キャンピングカー横転事故を見て思い出したキャブコンのスネーキング?左右に車体が揺れてコントロールが効かない恐怖体験

北海道をナッツRVクレソンで旅行。廃線跡を渡る キャンピングカー
北海道にて。廃線跡を渡るクレソンType W

死ぬかと思った!トラクターを追い越したら横転しそうになった話

近頃まったくブログを書く気がしない。でも、過日、中央道で発生したキャンピングカー横転事故のショッキングな画像を見て、自分自身の恐怖体験を思い出したので参考までに書いてみる。

見通しの良い直線道路、余裕のある追い越しのはずだった

10年以上前、まだナッツRV・クレソンに乗っていたころの北海道旅行でのできごと。

宿泊地である多和平を出発し、美幌峠を目指して屈斜路湖方面に走っていた。たしか天気は快晴で気分はウキウキ。いかにも北海道らしい直線道路を快調に飛ばしていたと思う。

しばらくすると前方にトラクターを発見。立派なトラクターでそれなりのスピードで走っていた。それでもやはりこちらの方が速くて、だんだんとトラクターが近づいてくる。

そこは平坦もしくはゆるい下り坂の直線。地平線が見えるのではというぐらい見通しは良い。対向車が見えたが、十分に余裕はあると判断。トラクターを追い越すことにした。

予想外に時間がかかり急いで走行車線に戻ったら…

実際に追い越しをかけてみると、トラクターは思いのほか速い。横に並ぶのに意外と時間がかかった。今思えば、トラクターは50km/h以上、当方のキャンピングカーは最終的に80km/h近く出していたかもしれない。

なんとか無事にトラクターをかわし走行車線へ。ここからが恐怖体験が始まった。

タイヤが持ち上がるかのような激しい揺れ

気づくと遠くに離れていると思っていた対向車が予想以上の速さで迫ってくる。ちょっと強めに左にハンドルを切り、急いで走行車線に戻る。そしたらキャンピングカーが左右に強く揺れだした。

左に大きく車体が傾いたら、次は右。これまで経験したことがない大きな揺れが振り子が振れるように繰り返される。
クルマはまっすぐに走っていたけど、まるでコントロールが効かない。傾き具合からして、片方のタイヤは宙に浮き上がっていたと思う。

傾いて横転しそうになりながらも、ギリギリ耐える。そしてその反動、復元力で逆サイドに倒れそうになる。そんな状態が続いた。

アクセルオフ、なんとか体勢を取り戻す

あまりの恐ろしさに頭は真っ白。どうしていいか分からない。でもここでブレーキを踏んだら絶対にひっくり返ると本能的に感じとった。

ただひたすらハンドルをまっすぐに握りしめる。アクセルから足を放して揺れが納まるのを待つ。

どれくらいのあいだ横転の恐怖におそわれていたのか、よく覚えてはいない。1分もなかったのかもしれない。しばらくすると揺れが小さくなってきたので慎重にブレーキをかけ、キャンピングカーを路肩に停めた。

停止した後も心臓のバクバクが止まらない。これまで経験したことがない勢いで心臓が脈打つ。「生きててよかった」と思うと同時にトラクターが追い抜いていった。

キャンピングカー、クレソンでいった、北海道ジェットコースターの道

北海道ジェットコースターの道

横転しなかったのはただの幸運。恐怖体験を二度としないために…

以上が自分が経験したキャンピングカー横転の恐怖。

ちなみに、タイトルでは「スネーキング」と書いたが、本来スネーキングはトレーラーなど牽引されている車が左右に暴れだす現象。キャブコンには当てはまらない。今回の件はスネーキングではないかもしないが、トレーラーがスネーキングで横転する際は、きっと自分が経験したように左右に揺さぶられた挙句、コントロールが効かずひっくり返るのだと思う。だからあえてスネ―キングとした。

幸い、その時は最悪の事態をまぬがれた。前方に障害物がなくブレーキを踏まずに済んだこと、直線だったのでハンドルを切る必要がなかったことがラッキーだった。

もし前に車がいたら、カーブがあったら、きっと派手に横転してとんでもないことになっていたはず。考えただけでも恐ろしい…

雑な運転が原因だけど…

こうなった原因はいうまでもなくスピードの出し過ぎと急ハンドル。しかし、急とはいっても実際にはちょっと雑なハンドリングといった程度で、少し切れ角が深かったぐらいだ。普通の乗用車だったら絶対になにも起きない。普通の走行ができていたはず。

やはりキャンピングカー(特にキャブコン)の重心が高くアンバランスな点が根本的な要因であることは間違いない。

キャンピングカーにケチをつけているわけではない。乗用車に比べればキャンピングカー(キャブコン)が横転しやすいのいは誰が見ても一目瞭然のこと。キャンピングカーの特性・弱点を考慮せず無謀な(雑な)運転をした自分が悪い。それは分かってる。

キャンピングカーは限界値が低い。運転は慎重に

でも、でも、でも、キャンピングカー(キャブコン)を運転する人に言いたいのは「安全な運転」と「無謀な運転」の境目はフツーに考えるよりずっと下の方にあるということ。

無理はしていないと思っていても、条件によっては唐突にバランスを崩し、一気にデンジャラスゾーン。気づいたときは後の祭りなんてことになりかねない。

キャンピングカーに乗るときは、常にリスクを認識し、無理をせず慎重に。あなたが運転しているのはクルマじゃない。車輪のついた家。くれぐれも「駆け抜けるよろこび」なんてものを求めないように。

事件で学んだ3つの教訓

最後に、この出来事で得た教訓というか個人的感想。

1 キャンピングカーの限界はすぐにやってくる。乗用車感覚で漫然と運転しているとひっくり返る。
2 キャンピングカーの足回りの強化とチェックは抜かりなく。特にタイヤには気を使え。
3 北海道のトラクターをなめるな。ランボルギーニの200馬力なんてのが走ってる。下手に勝負を挑まない。

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