弟がゲイだった

      2017/05/22

キューバの有名キャバレー、トロピカーナで撮影したダンサー

キューバのキャバレー、トロピカーナにて(本文とは関係ありません)

みっともない話だけど、破綻している家族関係について書く

このブログにはそぐわない家族ネタだけど、感動したので書く。ちょっと重い話題なので人称は「俺」、暗い話が嫌いな人は読まないように。

俺は複雑な環境でひねくれて育った

俺が生まれ育った家庭は複雑だった。

いや、複雑じゃなくて単純かもしれない。父親が自分勝手で馬鹿なだけだ。

俺が知る限り、父親は3回結婚していて子供は5人いる。

1人目の妻が長男である俺を生み、2人目の妻の時に次男、三男が生まれた。

そして、父親とは20歳年の離れた現在の妻との間に長女、次女を授かっている。

ちなみに、長男である俺と長女は25歳ほど年が離れている。次女のことはよく知らない。

虚言癖で女癖の悪い父親

父親は根っからの商売人で若いころは相当苦労したようだ。そして、飲食業でそこそこ成功し、一時期は10店舗ほどを経営するなど羽振りのいい時期もあった。

しかし、バブル崩壊後は事業がうまくいかず、いろいろなことに手を出しては失敗。借金の返済に追われる自転車操業で、70歳を過ぎた今も小さなスナックにしがみついて生きている。

父親の悪口はいくらでもあげられるが、その性格を一言でいうと、見栄っ張りの大ボラ吹きで金にセコイ。そしてなにより女癖が悪い。

継母に虐められ実家には愛着が無い

詳しいことは書かないけど、俺が中学を卒業する頃までは父親はいつも家を空けていて、俺は継母に虐待されて育った。

たまに父親が帰ってきてもきれいごとを言うばかりで、親らしいことは何一つしてくれなかった。

こんな家が大嫌いで、高校卒業とともに家を出た。

その後、大学に行かせてもらったことは親に感謝すべきことかもしれない。でも、学費等の支払い原資はそもそも父親が稼いだ金じゃない。

就職後、父親と縁を切った

大学を卒業し就職、結婚した後も、嫌々ながら表向きは親子関係を続けた。

30万円貸せと言われ、返ってこないことを承知で用立てた。

泣き落されて、極度額3千万円の商工ローンの保証人にもなった。まだ20代そこそこで妻もいるのにこれは本当に怖かった。胃がキリキリして吐きそうだった。

ある時、俺は切れた。父親の要求を拒絶した。ここには書けない積年の恨みもあり、父親との関係を断ち切ることにした。

父親は「お前には人の血が流れていない」とか怒鳴っていたが、俺としては父親の血が自分に流れているということの方がおぞましい。

それ以来、かれこれ20年以上にわたり父親とは一切連絡をとっていない。

父親とともに縁遠くなった弟から突然の電話

実家とはそんな状態だったが、3日前に突然会社の電話が鳴る。

交換から「ご家族と仰る方からです」と回された電話に出ると、なんと弟(次男)だった。

仕事が終わってから改めて掛け直し、弟と2時間ほど語り合う。弟と話すのは二十数年ぶり。

突然電話してきたのは、ここ何年か父親にたかられていて、父親の言うことが信用できなくなり兄貴に相談したくなったからとのこと。

聞けば、弟は父親から「長男は家を見捨てた裏切り者で極悪非道。絶対に接触するな」と厳命されていたらしい。

弟は俺が連帯保証人をさせられていたことも知らなかったし、あることないこと俺の悪口を吹き込まれていたようだ。

話をしていて気付いたが、3歳の年の差があると、持ってる情報もずいぶん違う。いい機会なので我が実家の暗黒面を色々と教えてやった。中には重たい話もあり、弟はショックを受けていたようだった。

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弟は新宿で頑張っていた

弟の近況を尋ねると、18年前に新宿で自分の店を持ち、今はバーや飲食店を経営していてるとのこと。仕事は順調で、お金には困っていないようである。

金の匂いに気づいたのだろう。10年ほど前から父親が金を無心してくるらしい。気のいい弟は頼まれるたびに20万円、30万円と渡していたが、最近はエスカレート。新しい事業を興すからまとまった金が要るみたいなことを言い出した。

いわれるがままに大金を渡すわけにもいかず事情を聞いたが、説明は要領を得ない。すったもんだの挙句、父親が信じられなくなり俺に相談する気になったというわけだ。

弟へは「優しいお前は俺みたいに冷酷になれないかもしれないけど、あんな虚つきでだらしない父親より自分のことを大切にしろ」と伝えた。

弟の告白

長話の終わりに弟に聞いた。

「久しぶりに会いたいから、新宿のお店を教えてくれないか」

刹那の沈黙。逡巡した息遣いの後に弟の声が聞こえてきた。

「兄貴… 実はオレ、ゲイなんだ…」

「新宿二丁目でゲイバーとかを経営してるんだ」

ゲイだとしても自慢の弟だよ

カミングアウトのあと、いい訳めいたつぶやきが少し続いた。大丈夫だ弟よ。俺はまったくそんなことは気にしない。

性的マイノリティだって弟は弟。ゲイなんて人間の個性のひとつだ。

そんなことより、浮き沈みが激しそうな二丁目に20代で自分の店を持ち、18年も続けていることの方が凄いことだと思う。

きっとお前のほうが、人生経験も人間力もずーっと上だ。俺なんか足元にも及ばないよ。

弟と久しぶりに話せて嬉しかった。今度の週末にでも、新宿に遊びに行こう。

本当にみんなに自慢したくなる弟だ。

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Comment

  1. 小川 美樹 より:

     はじめまして。 いつもブログの更新を楽しみに拝見しています。
     とても素敵なご兄弟の正直なまっすぐな生き方が感じられるお話しでした。
     自分の生まれる環境を、子供は選択できません。
     不公平だけど仕方がない、自分の力で生き抜くしかないのですよね。
     私も家庭や家族を知らずに育ちました。
     だから木梨さんの強さ・やさしさが偽りなしに伝わってきました。
     わりと近くに住んでいます。犬がいっぱい乗っている古いキングを見かけたら
     ぜひ声をかけてください。
     

    • 気梨桂 より:

      小川 美樹 様

      はじめまして
      コメントありがとうございます

      極度にプライベートな事項で、ある意味身内の恥でしかないことを書くべきか悩みましたが、温かい言葉をいただきありがとうございます。

      私自身は、褒めていただけるような人間ではありませんが、コメントにあるように決して良いとは言えない家庭環境で育った弟が自分の力だけで成功している事実を知り、嬉しくて記事にしてしまいました。

      お近くにお住いのようなので、すれ違ったらよろしくお願いします。

  2. 亀萬 より:

    自分達兄弟は幸い両親に何不自由なく育てられたのですが
    母親も早くに亡くし父親は80を過ぎて元気ですが、
    兄貴も母親と同じ病で3年前に若くして亡くし、
    キャンピングカーで温泉でも連れてけ。と良く言われたのですが
    お互い仕事でなかなか時間が合わず実現できませんでしたが、
    弟としてはやはり兄貴の存在はやはり大きいです。
    勤めが新宿界隈なので少しはわかりますが若くして店を持つと
    言う事は並大抵ではないと思います。
    若い頃、先輩に連れられゲイバーでは無いですがオカマバーに
    行ったのですが、店の人は容姿は違いますが常識人で世間の事、
    勉強しているなぁ~、義理人情もって正直、感動すらしました。

    • 気梨桂 より:

      亀萬 様

      確かブログでも拝見しましたが、お兄様を若くして亡くされたとのこと。残念でなりません。

      私達兄弟はいろいろあって現状バラバラな状態ですが、それでもやっぱり、たとえ腹違いであっても大事な存在です。

      昔はしょっちゅうケンカしましたが、弟が頑張っているのを知り、純粋に嬉しい自分がいます。

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