やっぱり太平洋フェリーがナンバー1

P1050213-1 キャンピングカー

太平洋フェリーいしかり

フラッグシップ「いしかり」


犬連れ北海道フェリー航路シリーズ第3弾。今回は「いしかり」「きそ」「きたかみ」の3隻体制で名古屋―仙台―苫小牧間を運航している太平洋フェリーです。
以前に書いた記事で、犬連れ北海道旅行では太平洋フェリーが一番のオススメとしました。
その理由は2点。まず1点目はアコモデーションとしてレベルが高く、人間が快適に過ごせること。
2点目は、安心してキャンピングカーに犬を留守番させることができ、我が家の犬にとっては比較的ストレスのない移動ができること。
以下、画像をまじえて詳しく紹介します。

充実した設備で快適な船旅

太平洋フェリーの良いところを一言で表せば、充実した設備と行き届いたサービスです。
強いて例えるなら、他の航路とは「動く(ビジネス)ホテル」と「寝られる交通機関」ぐらいの違いがあります。もちろん、太平洋フェリーが動く(ビジネス)ホテル。

個室主体の船室

きそ特等室 ちょっと狭い

きそ特等室 ちょっと狭い


客室は昔ながらのカーペット敷き2等室もありますが、優等室の他もS寝台、B寝台といった個室に仕切られた客室が主流です。特に新造船「いしかり」では 旅客定員777名に対し、2等和室の定員は68名のみ。最も多いのは1等の220名になります。
一方で、現行船で最も古参になった「きたかみ」は総定員はほぼ同じですが2等のキャパは221名あります。個室化が進められているのがよく分かります。

太平洋フェリーいしかりの2等和室

「いしかり」の2等和室

太平洋フェリー2段個室のB寝台(いしかり)

個室2段ベッドのB寝台(いしかり)

太平洋フェリーいしかりエントランスロビー

いしかりのエントランス

充実した施設

太平洋フェリーに乗り込むと、まず初めに豪華な吹き抜けのエントランスロビーが目に飛び込んできます。別にどうでもいい空間ではありますが、これから始まる船旅のワクワク感を高めてくれる大切な舞台装置。
共用の大浴場も立派。きそ・きたかみの展望大浴場はフェリーでは珍しいサウナ付き。私はサウナ大好きなのでありがたいです。ただ、残念なことに新造船いしかりではサウナが廃止されてしまいました。
また、私には縁がありませんが、ゲームセンターやカラオケルームなんてのも完備。

太平洋フェリーいしかりのラウンジ

いしかりのラウンジ


設備面で特筆すべきは、立派なラウンジの存在。毎夜ライブ演奏が開催され無料で観ることができます。ライブが終わったら無料の映画上映。だから何だという方も多いかもしれませんが、いまや日本のフェリーでこんなサービスをしているのは太平洋フェリーだけ。
他の航路では一般客はトラッカーのオマケみたいな扱いですが、この会社は一般観光客を重視し「船旅」を意識した演出をしてくれています。

太平洋フェリーいしかりのマッサージチェア

いしかりのマッサージチェア

太平洋フェリーいしかりのコインランドリー

コインランドリー(いしかり)

使いやすいダイヤ

そして使い勝手の良いダイヤも魅力です。
仙台―苫小牧は往復とも夜発午前着ですので、一晩ゆっくりと船旅を楽しみつつ目的地に着いたら即行動ができる日程が組みやすいスケジュール。
苫小牧を午後7時に出て仙台に翌日の午前10時に着く復路便だと埼玉の自宅に午後3時には到着できますので、次の日から仕事がフル回転でも余裕。北海道での最終日もほぼ丸1日確保できますので、現地滞在時間や運転手の疲労度合など総合的に見て我が家のベストバランス航路が太平洋フェリーという訳です。

新日本海もいいらしいけど

なお、船の快適性、設備の良さでは、新潟―小樽、舞鶴・敦賀―小樽の新日本海フェリーも負けていません。フルサービスのレストラン、上級船室の専用テラスなど太平洋フェリーにはない設備があります。はっきり言ってハードいだけだったら太平洋より上でしょう。船速も早いです。
しかし、新日本海の最大のデメリットは、観光客を無視したダイヤ。新潟午前10:30発→午前4:30小樽着、関西―小樽は深夜発夜着とちょっと使いづらい時間設定です。
また、犬連れに関しても、車内残置禁止、新潟航路は犬を散歩させるスペースなし、犬料金が必要などペット同伴への配慮がとても薄そう。したがって、2社比較では我が家の場合、太平洋フェリーの1択です。

船内の食事

食事は、夕食・朝食ともバッフェスタイルです。これは正直言って可もなく不可もなく。不味くはありませんが、感動もありません。

太平洋フェリーきそでのディナ

ある日の夕食 オリジナルワインとともに(きそ)

クルーズディナー

夕食バッフェは2000円。必ずステーキコーナーがあり、メインの(輸入)牛肉ステーキが食べ放題。その他、10種類以上の惣菜が並びますのでボリューム的にはなかなかのもの。味は普通ですが値段には十分見合っています。

太平洋フェリーいしかりの夕食

いしかりの夕食
ステーキの盛り付けが美的でない


アルコールは生ビールやワイン、焼酎など一通り揃えてあり、ソフトドリンクは無料です。個人的なおすすめは、船名と船のイラストが入ったオリジナルボトルワイン。赤・白コンプリートしてお土産にしましょう。オリジナル焼酎ボトルも芋・麦ありますが、こちらは船名はなく、船旅界で知らぬ者はいない柳原良平氏のイラスト。ちなみに柳原氏は太平洋フェリーの名誉船長でもあられます。

太平洋フェリーきたかみワイン

きたかみで飲んだワイン

太平洋フェリーオリジナル焼酎

2次会は芋焼酎ピンボケ

朝食は混雑

朝食もバッフェ。1000円で和洋ひととおり揃った十分な朝食がいただけます。
朝はレストランが非常に込み合い行列になりますので、事前に朝食券を購入し早めに動いた方が吉。レストランがオープンしたらすぐ行くようにしています。

太平洋フェリー朝食 いしかり

いしかりの朝食 船型さつま揚げ

太平洋フェリー「きそ」の朝食

きそでの朝食

ペットの居心地

ペットの車内保管

我が家は、2匹をキャンピングカーに車内残置させています。前も書きましたが、温度や換気の問題がなければウロウロできるキャンピングカーで2匹仲良くしていた方がケージより落ち着くと思うから。

太平洋フェリー車内残置犬車両デッキ散歩

車両デッキでお散歩(きたかみ)


太平洋フェリーの場合、深夜早朝を除き窓口でお願いすれば、職員同伴の元で車両デッキに降りて犬の様子を見ることができます。
このため、我が家では夜22時前、朝6時半過ぎの2回、犬に会いに行って世話をしています。トイレの処理をしっかりしなくてはいけませんが、車から犬を出し車両デッキを散歩させることも可能です。
仙台―苫小牧は15時間かかる長旅。いくらキャンピングカーとはいえずっと車内に缶詰は犬の負担も大きいでしょう。
しかし、太平洋フェリーであれば、このサービスのお蔭でまったく面倒がみられない留守番時間を9時間未満に抑えることができます。
我が家の場合、慣れたキャンピングカーでの9時間程度の留守番なら何ら問題はありません。犬どもは2頭ともキャンピングカーの中で伸び伸び過ごしています。
なお、私は経験ありませんが、海況や人員不足等の理由でデッキに降りれないこともあるようです。こういった場合は事前にアナウンスしてくれるようですので、ケージに切り替えるか、しっかり準備して長時間の留守番に耐えてもらうか判断する必要が出てきますね。滅多にないことだとは思いますが。

ケージ

太平洋フェリーでは、ドッグハウス(ペットケージ)の利用料金がかかりません。また、指定されたデッキで少し歩かせることもできます。ただ、車内残置と一緒で、深夜早朝はドッグハウスに入れません。
無料は有り難いのですが、一方でケージの予約ができないのがデメリット。満杯になってしまうと車内残置ということになります。
先着順ですので、オンシーズンの場合や、大きなケージが必要な場合は早めにチェックインしましょう。
また、利用できるゲージ数に制限があります。1件の旅客予約に対し1ゲージしか使えません。複数頭の場合は車内残置になるというのが原則のようです。

きそのエントランスロビー

きそのエントランス

どの船がおすすめか

現在、3隻の船が就航していますが、どの船が狙い目でしょうか。
「いしかり」にはサウナがないのが自分的には欠点ですが、強いてオススメするならやっぱり新しい「いしかり」でしょう。
しかし、特等室以上を使うなら3隻どの船を選んでも間違いありません。どの船も快適な船旅を提供してくれます。

古い船でも大丈夫

ちなみに最古参の「きたかみ」は名古屋へ行かず仙台―苫小牧を往復しています。このため、仙台―苫小牧航路を利用すると2分の1の確率で「きたかみ」に当たりることになります。でも安心してください。古いとはいえ「きたかみ」もいい船です。
内部は清潔に保たれていますし、バブル期に造られた船だけあり、無料シアターが独立していたり、麻雀ルームがあったりと全体的にゆったりした作りになっています。また、古い分だけ他の2船より運賃が安く設定してありますのでお得感があります。

太平洋フェリーきたかみの特等室

きたかみの特等室

太平洋フェリーきたかみの特等室バストイレ

きたかみ特等室のバス ウォシュレット付

ガンバレ太平洋フェリー

駄文を長々と書きましたが、私、実は船旅ファンなんです。乗り物全般興味があるものの、その嗜好性向は飛行機 > 船 > キャンピングカー、大きく離れて鉄道といったところ。
しかしながら、ご存知のとおり我が国の定期旅客航路は風前の灯。どこも航路維持に精一杯で「カジュアルフェリー」の名のもとに設備は簡素化され、旅を楽しむといった雰囲気が失われている気がします。
そんな中で、太平洋フェリーは日本の船旅のメルクマールであり、船旅ファンに残された希望です。今後も良質な旅空間を提供し続けて欲しいと切に願っています。
単なる移動手段として考えると少し値が張るかもしれませんが、ぜひ、一晩の旅を楽しむという視点で上級船室を利用してみてください。太平洋フェリーならきっと値段に見合う満足を提供してくれるはずです。ただし、食事には期待されませんように。

コメント

  1. レオじじい より:

    日本ではふ船旅は一般的ではないですが、移動手段として考えるだけではなく、移動の間を楽しく過ごすことが重要ですね。私は新日本海フェリーを3回ほど使ったことがありますが、犬連れの旅は未経験、やはり犬に優しいフェリーが良いですね。

    • たらば かつ男 気梨桂 より:

      レオじじい様
      いつもありがとうございます。
      御存じだとは思いますが、太平洋フェリーは名鉄資本の名古屋の船会社。なにか機会がありましたら利用してみてください。
      個人的には、名古屋―仙台航路に是非一度乗ってみたいと思うのですが、なかなか機会がなくで実行できていません。
      太平洋フェリーの名物の一つである福島沖で行われる僚船同士のすれ違いを一度見てみたいと思っています。
      犬連れ旅は楽しいですがやっぱり犬に負担を掛けないよう気を使いますね。我が家の犬が年をとって感じますが、やはり一緒に出掛けるなら若くて元気なうちですね。高齢になるといろいろ心配が増えてきます。